「こんな手じゃおっぱい触れない…」
アルコール消毒を日常的にしているせいか、そして冬が近付いて乾燥した季節になったせいか、手のひらは「ガンダムレベル」。
「ラブドールのおっぱいは触れる」
「しかしこの手でリアル女性のおっぱい触ったら確実にNG…」
いや、ラブドールのおっぱい揉むとしても、リアル女性のおっぱい揉むとしても関係ない。
両者共に手がガッサガサだと揉んでる自身も「手が全然気持ち良くない…!」
と…呆然としていたらしばらく前に買って開封していない未開封のハンドクリームが目に入った。
「Avene」だ。
そして6ヶ月放置した結果、早速塗ってみた。
驚いた。
なんとさっきまでガンダムだったのにあっという間に10分ぐらいでメタモンレベルのスベスベ状態の手に…。「え!?メタモンの表面みたい…」
「毎日塗り続けてやっと1ヶ月後にっていうのが普通では…?早すぎッ…!!!」
♦︎♦︎♦︎
女性店員の方「これがオススメですよ」
女性店員の人がメチャクチャ勧めてきたクリーム。
「絶対にメン○レータムと変わらない」
そう思っていた。
値段も倍ぐらい違う。
しかしやたら勧めてくる。
「今キャンペーンで無料で手鏡もお付けしてるんです」
「私も毎日塗ってるんですよ^^」
「こちらのハガキにお名前とご住所をご記入いただければさらにこれをおつけします^^」
とにかくすごかった。
「ノルマでもあるのかな…?」
と言わんばかりに。
かつて名残惜しいあの日本郵便の窓口の人による保険商品のゴリゴリの宣伝をされている体験に近かった。
しかし、
ノッてみた。
「これ、全身に塗ってもいいんですよ^^」
え!?全身!?
「もしかしたら運命かもしれない」
「脳内をエッチなシーンが駆け巡った」
運命だと思った。
今まで子供の頃から使っていた定番のものではなく、新たなクリームとの出会いだ。
「もしかしたら本当にすごいのかもしれない」
「今までこんなにクリームを勧められたことがない、人生で初だ」
「もしかしたら運命かもしれない」
「半信半疑で買ったら本当は最高の物だったという運命だ」
「絶対に通常では買わないであろう自分こそ買うべき存在に、今、直面しているのかもしれない…」
その運命の予感がピーンと頭を貫いた。
「(試しに買ってみよう…)」
「食わず嫌いの自分なんて嫌いだ」
「買ってもないのに塗ってもないのにあれこれ悩むな、自分よ。」
「実際に塗ってからだ。塗ってからゴチャゴチャ言いたまえ、自分よ。」
その感覚がさらに肩を押した。
そして買ったのだった。
しかし、帰ったときに萎えた。
結果的に開封前の時点で萎え、そのまま放置してしまっていた。
「あぁ…無駄な物を買ってしまった…」
「経つこと6ヶ月」
「まさか開封する時が来るとは…」
たまたまシティヘブンの日記を見てみて爆乳なのに細い風俗キャストを発見して「おっぱい揉みたい」と思って、手の平みたらゴッソゴソ。
「揉みたい」
その欲求がおさまらない。
しかしガッサガサだと揉まれるほうも気持ち良くない、そして揉むほうも気持ち良くない。
「自分の二の腕と同じ柔らかさだとわかってる。」
「突然おっぱい揉みたくなったら己の二の腕を揉め!」そう自身に言い聞かせても…
やはり、“オンナ”の匂いした人の、“オンナ”の身体の人の、“エッチな雰囲気”の場所で、
「揉みたい」
「このハンドクリーム、塗っても揉めるレベルになるにはきっと1ヶ月後だろう…」
そう塗りながら日記を見ていると…
「え!?もう!?」
塗った直後はぬっちょぬちょ。
最悪だ。
ハンドクリームを塗りたくない理由その①、ぬちょぬちょになるから。
スマホもベットベト。
絶対にそうなる。
最悪だ、もう最悪だ…。
そう思いながらそのまま日記を見ていると…
なんと10分後あたりからサラサラに。
一瞬、ヌッと感があると思いきやサラッとした感じに早変わりしたのだ。
そういえばある一言を思い出した。
あの時の女性店員の方の一言だ。
「このクリームは他のと違ってベトベトしないんです^^」
と。
「本当だった」
「ありがとう、あの時の女性店員さん」
「これでおっぱい揉める!」
「おっぱい!」